引越を伴う大切なヴィンテージ楽器の倉庫へ預かり保管!プロミュージシャンのお客様と関わるプランナーの役割

大切な荷物を “どこかに” 預けなければいけないとき…

  • 建て替えリフォーム、物件の売却…
  • 長期転勤や出張、親の介護をするため部屋のスペースを空ける…
  • 退去日と入居日の日程のズレ…

様々なご事情により、荷物を一時どこかに預ける(倉庫に保管する)必要が出来てしまうことがあると思います。

そんな時、大切な高級家財やヴィンテージ楽器などを持っていたら…

  • しっかり預けられる業者がいない。
  • 保管だけではなく、運搬が心配…
  • 引越預かり~全て1社で可能な業者は…

きっとご不安は尽きないと思います。

今回は、大切なヴィンテージ楽器の取り扱いに対してお悩みのお客様 “Philip Woo” 様(フィリップ ウー様)のヴィンテージ楽器の引越に伴うお預かり事例をご紹介したいと思います。

退去日と入居日の日程のズレにより大切な楽器を保管してほしい…

2018年春先、フィリップ様より1本のお電話が入りました。

退去日は、早いが入居するまでには時間がある。その間、荷物を預かって欲しい。まだ、転居先が不確定なので、一度荷物を預かってもらって新居が決まり次第、搬入してほしい。楽器があってそれを大切にしている。

そこで、プランナーは…

運搬保管プランナー

「一度是非、お荷物や楽器を見せてください。お荷物だけでなく、内容詳細を聴かせていただいてプランニングさせてください。」

現ご住居に現地調査へ向かいました。

預けたい荷物は「沢山のヴィンテージ楽器」

フィリップ様の現ご住居に到着します。

そこで、所狭しおかれた楽器やそのケースの量には、驚きました。

プランナーが現地調査時に見た楽器の数々
外にまで置かれた楽器

「これは、すごい量ですね。こんなに沢山のキーボードが、ずいぶん古いもののようですが…」

(しかも、かなり使い込んだキーボードだし、ヴィンテージのキーボードやスピーカー、かなり高価で大切にしているんだろうなぁ、でも、もしかしたら、すごい人かなぁ…)と感じていました。

そう思いながらもお客様のご要望が叶えられるように、プロのプランナーとして「荷物のお預かり便」のご提案させていただきました。

その内容にご理解いただきご成約をいただきました。フィリップ様、本当にありがとうございます。詳細は後ほどメールで送りました。

珍しいキーボード各種

〈後ほどフィリップ様へ送ったメール〉

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その後、会社への帰路その途中…今後の引越保管プランをあれこれ整理しながら、いろいろ考えているうちに、フィリップ様のことが気になり、「どんなアーティストなんだろう…」とリサーチいたしました。

その時、フィリップ様はキーボード奏者であり、プロのミュージシャンであることがわかりました…

お客様は…伝説のR&Bグループ「メイズ」キーボードアーティスト

それでは、今回のお客さまをご紹介させていただきます。フィリップ ウー様は、プロのキーボードアーティストです。

その演奏は大変ソウルフルです。変幻自在に音色を変え、魅せて聴かせて、まさに、“キーボードの魔術師”です。

フィリップ様は、10代の頃に地元のワシントン州シアトルに訪れた、“ロイ・エアーズ”と出会い、そのステージに上げられたことからキャリアをスタートさせたそうです。

1976年7月 “ロイ・エアーズ・ユビキティ”のメンバーとして参加したアルバム『エヴリバディー・ラヴズ・ザ・サンシャイン』が全米リリースされ、大ヒットします。

お客様フィリップ様
フィッリップ・ウー(Philip Woo-sama)様 
ロイ・エアーズ・ユビキティCDのジャケット
1976年『EVERYBODY LOVES THE SUNSHINE』(Roy Ayers Ubiquity):ライター私物

この作品が実質的な、初レコーディングだったそうです。作品は、最高傑作と言われていた前作を超え “ダントツでキーボード光っている”と批評されています。

ニューヨークで人気のキーボード奏者となった後、名曲『ジョイ&ペイン』『ビフォー・アイ・レット・ゴー』など、日本でも大変有名な伝説のR&Bグループ “メイズ(メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリー)” のメンバーとして活躍されます。

その後、ホイットニー・ヒューストン、スティーヴィー・ワンダーなど、様々なビッグアーティストのサポートも務め活動拠点を日本へ。

現在では、平井堅、久保田利伸、エグザイルなどの楽曲提供やプロデュース、ライヴやレコーディングでも活躍しながら、メイズのメンバーとしても活動を継続しているそうです。

プランナーは、フィリップ様をリサーチした上で、今回、自社の保管倉庫でお預かりする楽器の価値をしっかり調べなおします。予想していた通り、楽器類はヴィンテージで、価値も高く、取り扱いに注意が必要でした。

自社室内倉庫でお預かりしたヴィンテージ楽器について

今回、自社室内倉庫でお預かりした、フィリップ様のヴィンテージ楽器の一部をご紹介いたします。

レスリースピーカー

レスリー・スピーカー

レスリー・スピーカー (Leslie speaker) は、1940年代にドナルド・レスリー (Donald Leslie) によって考案され、当初は「ビブラトーン (Vibratone) 」と言う名称だったようです。その音色の特徴はドップラー効果の揺らめくような深い音です。

消防車が離れていくとサイレンの音が段々下がって聞こえると思います。これがドップラー効果です。この効果を利用した音がレスリー・スピーカーの特徴です。レスリー・スピーカー内にあるホーン/ローターを回転させることでドップラー効果を生みだし、ビブラート、トレモロなど、深い音程の揺らめきをもたらすそうです。

レスリー・スピーカーは、1960年代以降、相性の良いハモンドオルガンとともに、ロックでも使用されはじめます。ハモンドオルガンの愛用者として有名なキーボード奏者には、ディープ・パープルのジョン・ロードがいます。

アルバムマシンヘッド “ハイウエイスター“ で、その音に覚えがある人も多いのではないでしょうか?

ハモンドオルガン

ハモンドオルガン

ハモンドオルガンは、当時大変高額だったパイプオルガンの代わりに、教会でゴスペル音楽に使用されました。その後、様々な音楽シーンで使用されていきます。

しかしその構造上、大きく重くなってしまうデメリットがあり、1970年代末からシンセサイザーへとニーズはシフトしてしまいます。時代のトレンドはやがて、シンセサイザーの音にも飽きはじめてしまいます。そして、再びハモンドオルガンが生産されはじめました。

しかし、昔のトーンホイールが生み出す深みのある太い音は、再現することは難しく、音にこだわりを持つプロのキーボード奏者は、今でもヴィンテージのハモンドオルガンを使用するそうです。 フィリップ様もそういう理由でしょうか…

ウーリッツァー

Wurlitzer :ウーリッツァー

当初は、学校用教育楽器の位置づけでした。しかし、その温かみのあるソフトな音色にたくさんのアーティストが使用しはじめたそうです。

そして一躍ブレイク!金属製のリードをピアノに似たフェルト・ハンマーで叩く構造で、パーカッシブな音色を奏でます。この打鍵の強弱で奏でる音はウーリーサウンドと呼ばれています。

Rhodes

RHODES

1940年代にハロルド・ローズ(Harold Rhodes )により「前線の兵士たちを慰安する(音楽療法)目的で」発明されたピアノであったそうです。

クラビネット

Hohner社のclavinet:クラビネット

弦の音をピックアップで拡張して音を出している楽器でギターに近い鍵盤楽器です。叩くように弾く感じでしょうか?

スティーヴィーワンダーの「迷信(superstition)」などで使われていました。

シンセサイザー

Minimoog :シンセサイザー

ハンドメイドで生産されています。希少なアナログシンセサイザーです。

念入りな事前打ち合わせ

 すべてのヴィンテージ楽器を調べ終え、運び出し~倉庫保管、格納までの一連の流れを確認します。

関わる全てのスタッフを集め、綿密な打ち合わせを行いました。搬出経路など…打ち合わせを実行します。

フィリップ様の要望、ヴィンテージ楽器の取り扱い、搬出経路、近隣への配慮、ハードな部分だけではなく、その思いやこだわりを含めスタッフ全体で情報を共有します。

そうして、繰り返し意見交換や議論をして「共通の目的」を定め作業の日を迎えました。

現場とプランナーの打ち合わせ

迅速な運び出し…

レスリースピーカーを慎重に運搬するスタッフ

今回のご要望の一つに「運び出しは速やかに行ってほしい。」というご要望がございました。

お客様のご要望を聴き、安全かつ確実な作業で実行します。予め打ち合わせしていた通り、搬出経路を養生(建物保護)し運び出しを行います。

楽器には細心の注意を、近隣建物にも配慮を忘れません。計画通り無事に運び出しが完了いたしました。

丁寧に積み込まれたヴィンテージ楽器類は、現ご住居を離れ、都内から “神奈川県横浜市にある当社の室内型自社倉庫”に向かいます。

室内倉庫保管ラックへ安全に格納

室内型保管倉庫にトラックが到着し、それぞれが格納準備に入ります。

プレミアムストレージサービス倉庫
自社保管倉庫

格納作業では、荷物を積み重ねる際の順番にも配慮いたします。

防塵・防湿対策、セキュリティ管理体制、などありとあらゆることに注意をして、安全かつ確実に作業を完了させます。

当社では、倉庫内の作業過程や格納後の保管ラッ」を各お客様にご報告レポートとして、写真で撮影し、メール又は郵送でお送りしています。

倉庫内作業は「ブラックボックス」になりやすく、その場に立ち会えないお客様に、極力お見せすることで、ご安心いただくためです。

このお客様に送るご報告写真が、倉庫の高い作業品質を担保できる理由でもあります。格納作業が無事完了して、撮影された写真は編集されてフィリップ様の元に送られました。

ケースに入ったヴィンテージ楽器を保管ラックに格納するスタッフ
ご報告写真

楽器保管中パークハイアット東京52階LIVEへご招待

〈フィリップ様からの招待メール〉

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荷物の格納作業が終了しフィリップ様へご報告いたします。

すると、フィリップ様からサプライズが…

PARK HYATT TOKYO でLIVEを行うので来てくださいね。受付で名前を言ってくれればOK!

ご自身が行うライブへご招待していただきました。音楽の大好きなプランナーは感激いたしました。

そして、パークハイアット東京で、素敵なピアノライブが行われました。

パークハイアット東京で行われたフィリップ・ウー様のライブ
ご招待されたNew York Bar in the Park Hyatt
パークハイアット東京で行われたフィリップ・ウー様のライブ
フィリップ様とプランナーのパークハイアット東京ライブ後の記念撮影
写真左:フィリップ様  右:プランナー ウチガサキ

夜景のきれいな会場では、フィリップ様と記念写真まで撮らせていただきました。

素敵なライブにご招待いただきまして、ありがとうございました。

保管倉庫出庫~運び出し日の決定に伴うミーティング

事前ミーティング
参考:ミーティング

 いよいよ、都内へヴィンテージ楽器と家具家財の運び出しが決まりました。再び搬出チームが結成され、ミーティングが決行されました。

運び出し(搬入)に関わる各スタッフがチームとなり「共通の目的」を確認して当日の成功へ向けて準備を整えます。

運び出し作業開始~設置完了

自社保管倉庫から、ご新居に到着して、いよいよヴィンテージ楽器の運び入れ作業が開始されました。

自社トラックでヴィンテージ楽器を輸送して駐車

キーボード、シンセサイザー、特に重量のあるレスリー・スピーカーは慎重に、振動を与えないように、丁寧に台車で押して運んでいきます。

ヴィンテージ楽器を慎重に搬入するスタッフ
梱包されたレスリースピーカー
搬入用に梱包されたレスリー・スピーカー

高級家財の取り扱いに慣れたベテランスタッフにも緊張感が走ります。プランナーから事前準備で聴いた一言一句を思い出し、プロとして安全かつ確実に作業を実行していきました。

運び入れ途中から、プランナーも 合流いたしました。レスリースピーカー中のホーンの状況も時折確認いたします。

レスリースピーカーのホーン
レスリー・スピーカー内のホーン
無事設置されたレスリースピーカー

すべての搬入作業が終了して、フィリップ様にも最後の確認をしていただきました。

無事に全てのヴィンテージ楽器が運び込まれ、スタッフも安堵いたしました。作業完了後には、笑顔になっていただけ、記念写真に写真を撮影させていただきました。

Mini moog (シンセサイザー)を持ち上げながら、現場スタッフ達と笑顔で記念撮影…

現場スタッフとフィリップ様で搬入終了後の記念写真撮影
プランナーとフィリップ様で搬入終了後の記念写真撮影

そして、パークハイアット東京以来、プランナーも記念撮影をさせていただきました。無事に価値ある家財の搬入が終わり、スタッフは、やっと笑顔になれました。

今回は特に、価値の高い(思い入れも強いという意味でも)ヴィンテージ楽器でした。我々スタッフは、緊張感を持って作業に取り組んで参りました。無事にご希望の場所に設置できて何よりです。

さらに、今まで通りしっかり使えるか、元通りに音がでるか?見届けられると安心です。そのように考えていました。

作業終了のその後…

 数日後、フィリップ様より一通のメールが届きました。

〈フィリップ様よりメール〉

フィリップ様のメール

メールの内容は、バースデーLIVEの招待でした。

プランナーも気になっていることがあり、すぐメールを返しました。

〈プランナーのメール〉

プランナーのメール

今回のバースデーLIVEには、当社の倉庫でお預かりさせていただいた、ヴィンテージ楽器を使用して演奏をされるとのことでした。

無事に演奏されるヴィンテージ楽器を確認したいと考えていました。なぜならば、プロとしての作業完了を確かめたい…という気持ちがあったからです。

奏でる音に完了を確認…

≪レスリー・スピーカー≫

≪ハモンドオルガン≫

≪Mini moog :シンセサイザー≫

≪Wurlitzer :ウーリッツァー≫

≪RHODES≫

お預かりしたヴィンテージ楽器がライブ用にセッティングされた写真
お預かりしたヴィンテージ楽器を使用して遠藤が始まる瞬間
お預かり(倉庫保管)したヴィンテージ楽器

今回の「荷物お預かり便」で取り扱った価値ある家財(ヴィンテージ楽器)たちが、ステージに余すことなく、セッティングされ演奏が開始されました。

フィリップ様の演奏シーン

お預かりしたヴィンテージ楽器の音色は素晴らしく、そしてソウルフルなキーボードの演奏にプランナーは圧倒されました。そして、その心に伝わる演奏こそが、私どもにとってのヴィンテージ楽器の運搬保管作業の完了を意味していました。

フィリップ様の演奏シーン

この時の演奏には、「ひときわ感極まるものがありました。」と後日プランナーのウチガサキは語っていました。本当に素晴らしいBIRTHDAY-LIVEにご招待いただきまして、フィリップ様ありがとうございました。

お客様との関わり通して…

今回のフィリップ様をはじめ、倉庫を使った家財取り扱いサービスでは、様々なお客様と出会います。

財産をお預かりするのは、信頼関係がなくてはいけないません。お客さまとの関わり方は、私どもにとって本当に大切です。

後日、ご友人さまの代筆でフィリップ様よりおハガキをいただきました。

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ご友人様の代筆

〔ご意見/ご感想〕
搬出・保管・搬入をお願いしました。予定以上に荷物が増えてしまった時も、何度か日程を変更した時も、快く引き受けてくださいました。搬入当日は雨でしたが、スタッフの皆さんは常に笑顔で荷物を大切に扱ってくれ、全く疲れを感じさせない引越しでした。
どうもありがとうございます。
〔最後に一言〕
もし、また転居する時には、迷わずチトセさんにお願いします。

私どもは、お客様方に恵まれています。今後も沢山のお客様と出会い、その出会いを大切にし、サービスを通じて心繋がる関わりを継続していきたいと思います。結局のところ、お客さまに、真摯に喜ばれることを考え、役に立つ事実行する。それが一番のサービスだと思います。

いつまでも、親切で信頼される人のためのサービスを心掛け、お客様や関わる人たち、皆様方のお役に立てるように、励んで参ります。

サービスは人に喜ばれるものでなければいけないし、人の役に立つものでなければいけない…その為に提供する側は、親切で信頼される人々であるべきです。

フィリップ様のライブポスター

フィリップ様、この度は、当社をご利用いただきまして誠にありがとうございました。今後のご活躍とご健勝をスタッフ一同、心よりお祈り申し上げます。

そして、スタッフに対する数々のご親切、重ね重ね厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

また是非LIVEに伺わせてください。
( STAFF:UCHIGASAKI )

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